読みもの/歴史と文化
インスタントラーメンの歴史 — チキンラーメンから宇宙食まで
公開日 2026-09-09 ・ 執筆 大森商事
お湯をかけて 2 分。この手軽さが世界の食を変えました。インスタントラーメンは日本で生まれ、いまや年間 1242 億食が世界で食べられています。この記事では、発明の瞬間から宇宙へ運ばれるまでの歴史と、意外な市場の現在地を辿ります。
安藤百福とチキンラーメン
1958 年、日清食品の創業者・安藤百福が世界初のインスタントラーメン「チキンラーメン」を発売しました。お湯をかけて 2 分で食べられる手軽さが画期的で、安藤百福 (1910-2007) は「インスタントラーメンの父」と呼ばれます。日清食品は 1948 年に大阪府泉大津市で創業 (前身の中交総社) し、現在の本社は大阪市淀川区にあります。チキンラーメンは大阪府池田市の自宅で開発されました。
1971 年 9 月 18 日には世界初のカップ麺「カップヌードル」が発売されます。容器と麺・具材を一体化させ、フォークで食べる新スタイルを生み出しました。チキンラーメンを発明した地である池田市には 1999 年に「カップヌードルミュージアム」が先行開館し、横浜みなとみらいの館はその後 2011 年に開館しています。
製法の科学
生麺は製麺後に乾燥させず水分を含んだ状態のもの、乾麺は乾燥工程を経て長期保存できるようにしたものです。インスタント麺はさらに油で揚げる (フライ) か、熱風で乾燥させる (ノンフライ) かで仕上げます。ノンフライ麺は油を使わないため脂質が少なく、生麺に近い食感が得られます。
フライ麺は麺に油が染み込んでいるため酸化による風味劣化が起こりやすく、これを抑えるためにビタミン E (トコフェロール類) が酸化防止剤として広く使われています。
宇宙へ行ったラーメン
日清食品が開発した宇宙食ラーメン「スペース・ラム」は、カップヌードルをベースに味付けし、無重力空間でスープが飛び散らないよう粘度を高め、スペースシャトル内で使える 70℃ 程度の湯でも戻る麺を開発したものです。
2008 年 3 月には、土井隆雄宇宙飛行士のリクエストをもとに JAXA と日清食品が共同開発した世界初の宇宙食「うどん」「そば」「焼き鳥」「いなり寿司」などがスペースシャトル・エンデバー号に搭載されました。
世界と日本の市場
世界ラーメン協会 (WINA) によると、2025 年の世界の即席麺総需要は約 1242 億食 (前年比 0.7% 増) で、2 年連続の過去最高更新となりました。国別では 1 位中国・香港、2 位インドネシア、3 位インド、4 位ベトナムに続き、発祥国の日本は 5 位です。1 人当たりの年間消費量ではベトナムが約 81 食で世界 1 位、韓国が僅差で続きます。
日本即席食品工業協会によると、2024 年度の即席麺国内需要は前年度比 4.1% 増の約 59 億 8 千万食で、2 年ぶりの増加を記録しました。内訳はカップ麺が約 39.6 億食、袋麺が約 20.3 億食で、カップ麺は袋麺のおよそ 2 倍の規模です。「サッポロ一番」はサンヨー食品、「赤いきつね」「緑のたぬき」は東洋水産 (マルちゃん) のロングセラーで、それぞれ 1978 年と 1980 年に発売されました。
確認クイズ(17 問)
この記事で扱った内容から出題。「正解と解説を見る」を開く前に答えを考えてみてください。 本番のクイズは知識クイズから挑戦できます。
Q1. 世界初のインスタントラーメン「チキンラーメン」が発売された年は?
- ① 1948年
- ② 1958年
- ③ 1968年
- ④ 1978年
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正解:② 1958年
1958年、日清食品の創業者・安藤百福が世界初のインスタントラーメン「チキンラーメン」を発売しました。お湯をかけて2分で食べられる手軽さが画期的でした。
Q2. インスタントラーメンの父と呼ばれる人物は誰?
- ① 山岸一雄
- ② 安藤百福
- ③ 佐野実
- ④ 吉村実
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正解:② 安藤百福
安藤百福(あんどう ももふく、1910-2007)は日清食品の創業者で、チキンラーメンとカップヌードルを世に送り出した「インスタントラーメンの父」と呼ばれます。
Q3. 「日清食品」の創業地は?
- ① 大阪
- ② 東京
- ③ 北海道
- ④ 福岡
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正解:① 大阪
日清食品は1948年に大阪府泉大津市で創業(前身の中交総社)、現在の本社は大阪市淀川区にあります。安藤百福が大阪府池田市の自宅でチキンラーメンを開発しました。
Q4. 世界初のカップ麺「カップヌードル」が日清食品から発売されたのは何年?
- ① 1965年
- ② 1968年
- ③ 1971年
- ④ 1975年
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正解:③ 1971年
1971年9月18日、日清食品が世界初のカップ麺「カップヌードル」を発売しました。容器と麺・具材を一体化させ、フォークで食べる新スタイルを生み出しました。
Q5. 「カップヌードルミュージアム」は大阪府池田市と神奈川県横浜市の2館があるが、先に開館したのはどちらか?
- ① 横浜(2011年開館)
- ② 大阪池田(1999年開館)
- ③ 同時に開館した
- ④ 池田市と横浜市に同時期に3館開館した
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正解:② 大阪池田(1999年開館)
安藤百福がチキンラーメンを発明した地である大阪府池田市の館が1999年に先行開館し、横浜みなとみらいの館はその後2011年に開館した。
Q6. 「乾麺」と「生麺」の主な違いは?
- ① 原料の種類が違う
- ② 乾燥工程の有無による水分量の違い
- ③ 麺の太さが違う
- ④ 色が違う
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正解:② 乾燥工程の有無による水分量の違い
生麺は製麺後に乾燥させず水分を含んだ状態のもの、乾麺は乾燥工程を経て長期保存可能にしたもの。インスタント麺はさらに油揚げ(フライ)か熱風乾燥(ノンフライ)で仕上げます。
Q7. 「ノンフライ麺」の特徴として正しいのは?
- ① 油で揚げて乾燥させる
- ② 冷凍乾燥させる
- ③ 天日干しで乾燥させる
- ④ 熱風で乾燥させ油を使わない
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正解:④ 熱風で乾燥させ油を使わない
ノンフライ麺は油で揚げる工程を経ず、熱風乾燥や生タイプ製法で仕上げる麺。フライ麺と比べて脂質が少なく生麺に近い食感が得られます。
Q8. フライ麺タイプの即席麺で、揚げ油の酸化による風味劣化を防ぐために一般的に添加される酸化防止剤はどれか?
- ① ビタミンE(トコフェロール)
- ② ビタミンC(アスコルビン酸)
- ③ クエン酸
- ④ 重曹
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正解:① ビタミンE(トコフェロール)
フライ麺は麺に油が染み込んでいるため酸化による風味劣化が起こりやすく、これを抑えるためにビタミンE(トコフェロール類)が酸化防止剤として広く使われて いる。
Q9. 日清食品が開発した宇宙食ラーメン「スペース・ラム」が、無重力(微小重力)環境向けに施した工夫として正しいのは?
- ① 麺を極細にして重さをなくした
- ② スープが飛び散らないよう粘度を高めた
- ③ 味付けを完全になくした
- ④ 常温のまま食べられるようにした
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正解:② スープが飛び散らないよう粘度を高めた
「スペース・ラム」はカップヌードルをベースに味付けし、無重力空間でスープが飛び散らないよう粘度を高め、スペースシャトル内で使える70℃程度の湯でも戻る麺を開発した。
Q10. 2008年、日清食品が世界で初めて宇宙食として開発した「うどん」「そば」「焼き鳥」「いなり寿司」を携えてスペースシャトル「エンデバー号」に搭乗した日本人宇宙飛行士は?
- ① 野口聡一
- ② 若田光一
- ③ 土井隆雄
- ④ 毛利衛
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正解:③ 土井隆雄
2008年3月、土井隆雄宇宙飛行士のリクエストをもとにJAXAと日清食品が共同開発した世界初の宇宙食「うどん」「そば」「焼き鳥」「いなり寿司」などがエンデバー号に搭載された。
Q11. 世界ラーメン協会(WINA)によると、2025年の世界の即席麺総需要はおよそ何食で、これは何年連続の過去最高更新となったか?
- ① 約1242億食、2年連続で過去最高
- ② 約500億食、初めての最高更新
- ③ 約1242億食、10年連続で過去最高
- ④ 約80億食、2年連続で過去最高
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正解:① 約1242億食、2年連続で過去最高
2025年の世界即席麺総需要は約1242億食(前年比0.7%増)となり、2年連続で過去最高を更新した。
Q12. 世界ラーメン協会(WINA)が発表した2025年の世界即席麺総消費量ランキングで、発祥国である日本の順位は?
- ① 1位
- ② 3位
- ③ 5位
- ④ 10位
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正解:③ 5位
2025年の世界即席麺総需要は約1242億食で、1位中国・香港、2位インドネシア、3位インド、4位ベトナムに続き、発祥国の日本は5位だった。
Q13. WINAの調査による即席麺の「1人当たり年間消費量」で、近年世界1位となっている国は?
- ① 韓国
- ② ベトナム
- ③ タイ
- ④ 日本
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正解:② ベトナム
WINAのデータでは1人当たり消費量はベトナムが年間約81食で世界1位、韓国が僅差で続く。総消費量では中国が圧倒的だが、1人当たりでは東南アジア勢が上位を占める。
Q14. 日本即席食品工業協会によると、即席麺の2024年度国内需要(総数)はどう推移したか?
- ① 前年度比で減少した
- ② 前年度比4.1%増となり、2年ぶりに増加した
- ③ 10年連続で増加し続けている
- ④ ほぼ横ばいだった
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正解:② 前年度比4.1%増となり、2年ぶりに増加した
2024年度の即席麺国内需要は前年度比4.1%増の約59億8千万食となり、2年ぶりの増加を記録した。
Q15. 2024年度の即席麺国内需要の内訳はカップ麺が約39.6億食、袋麺が約20.3億食だった。カップ麺は袋麺のおよそ何倍の規模か?
- ① 約0.5倍
- ② 約1倍(ほぼ同じ)
- ③ 約2倍
- ④ 約5倍
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正解:③ 約2倍
カップ麺(約39.6億食)は袋麺(約20.3億食)のおよそ2倍の規模があり、現在の即席麺市場はカップ麺が主流となっている。
Q16. 「サッポロ一番」シリーズで知られる日本の食品会社は?
- ① 日清食品
- ② 東洋水産(マルちゃん)
- ③ サンヨー食品
- ④ エースコック
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正解:③ サンヨー食品
「サッポロ一番」はサンヨー食品の代表的なインスタントラーメンブランドで、塩らーめん、しょうゆ味、みそラーメンの3種が長年愛されています。
Q17. 「マルちゃん赤いきつね」「緑のたぬき」を販売している食品会社は?
- ① 東洋水産
- ② 日清食品
- ③ 明星食品
- ④ エースコック
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正解:① 東洋水産
「赤いきつね」「緑のたぬき」はマルちゃんブランドを持つ東洋水産の主力商品。1978年発売の赤いきつね、1980年発売の緑のたぬきはロングセラーカップ麺です。