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つけ麺の誕生と進化 — 大勝軒から現代の名店まで

公開日 2026-09-09 ・ 執筆 大森商事

冷たく締めた太麺を、熱く濃いつけ汁にくぐらせて食べる。いまや当たり前のこのスタイルは、一人の店主のまかないから生まれました。この記事では、つけ麺の原型が生まれた経緯から、食べ方の作法、そして 2000 年代に業界を塗り替えた濃厚魚介豚骨の名店までを追います。

まかないから生まれた特製もりそば

つけ麺の元祖は、1955 年頃に東京・東池袋大勝軒の山岸一雄氏が、まかないで食べていた冷やしたぶっかけ麺を商品化した「特製もりそば」とされています。冷水で締めた極太麺を魚介豚骨などの濃厚なつけ汁に浸けて食べるスタイルは、ここから東京都内、そして全国へ広がりました。

東池袋大勝軒は再開発のため 2007 年に閉店し、惜別に訪れた客の長蛇の列が報じられました。その後、弟子らによって新店舗で再開され、暖簾分け店も全国に多数展開しています。山岸氏は 2015 年に逝去しました。

食べ方の作法

つけ麺は茹でた麺を冷水でしっかり締めてコシを出し、熱い濃厚なつけ汁につけて食べるのが基本です。この冷たいままの提供を「ひやもり (冷盛)」、麺をお湯で温め直したものを「あつもり (熱盛)」と呼び、寒い時期にはあつもりが好まれます。

麺を食べ終えた後に頼めるのが「スープ割り」です。濃いつけ汁は塩分や旨味が強く飲みにくいため、昆布や煮干しなどで取った薄い出汁や湯を注いでもらい、飲みやすく仕上げます。動物系と魚介系を別々に取って合わせる W スープが広く普及したのも、つけ麺ブーム以降のことです。

濃厚魚介豚骨の時代

2000 年代、つけ麺は濃厚魚介豚骨の時代に入ります。六厘舎は 2005 年 4 月に東京都品川区大崎に本店を開業しました。当初は客入りが振るわなかったものの、超濃厚スープと極太麺へ舵を切ったことで人気に火がつきました。

埼玉・川越の頑者を営む大橋家は、1993 年に川越で「ガンジャ」を開業し、2000 年に業態を「頑者」としてつけ麺専門で再スタートしました。千葉・松戸の中華蕎麦とみ田は、TRY ラーメン大賞で大賞を 4 連覇した店を対象に 2017 年に新設された「殿堂入り」制度で、最初に殿堂入りを果たしたつけ麺の名店です。

汁なしという隣人

つけ麺と並んで語られるのが油そば・まぜそばです。スープを使わず、丼の底にタレと香味油を入れ、茹でた麺と具材を直接絡めて食べます。店によって「あぶらーめん」「まぜそば」「汁なしラーメン」などと呼ばれますが、冷やし中華はまったく別の麺料理です。

油そばの発祥には諸説ありますが、1950〜60 年代に東京武蔵野エリアの珍々亭や、亜細亜大学周辺の三幸などが発祥店として知られ、学生街で広まったとされます。名古屋発祥の台湾まぜそばは 2008 年に麺屋はなびで考案され、極太麺に台湾ミンチ・ニラ・卵黄・魚粉を載せて混ぜるスタイルで全国に広がりました。

確認クイズ(12 問)

この記事で扱った内容から出題。「正解と解説を見る」を開く前に答えを考えてみてください。 本番のクイズは知識クイズから挑戦できます。

  1. Q1. つけ麺の元祖とされる「特製もりそば」を考案したラーメン店主は?

    • ① 大勝軒・山岸一雄
    • ② 吉村家・吉村実
    • ③ 天下一品・木村勉
    • ④ くるまや・山口
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    正解:① 大勝軒・山岸一雄

    1955年頃、東京・東池袋大勝軒の山岸一雄氏が、まかないで食べていた『冷やしたぶっかけ麺』を商品化したのが「特製もりそば」(=つけ麺の原型)とされています。

  2. Q2. つけ麺の発祥店「東池袋大勝軒」が一時閉店・再開を経験した経緯として正しいのは?

    • ① 再開発で2007年閉店し、後に弟子が新店舗で再開、暖簾分けが全国に展開
    • ② 戦争で閉店した
    • ③ 創業者の引退で消滅した
    • ④ 山岸氏により大幅に縮小された
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    正解:① 再開発で2007年閉店し、後に弟子が新店舗で再開、暖簾分けが全国に展開

    東池袋大勝軒は再開発のため2007年に閉店、惜別客の長蛇の列が報じられました。その後弟子らにより新店舗で再開され、暖簾分け店も全国に多数展開。山岸一雄氏は2015年に逝去。

  3. Q3. ラーメンの「つけ麺」を食べるとき、麺の温度として一般的なのは?

    • ① 水で締めた冷たい麺と、熱いつけ汁の組み合わせが基本
    • ② 熱々のまま提供されることが多い
    • ③ 両方とも冷たい
    • ④ 麺は常温、つけ汁も常温
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    正解:① 水で締めた冷たい麺と、熱いつけ汁の組み合わせが基本

    つけ麺は茹でた麺を冷水でしっかり締めてコシを出し、熱い濃厚なつけ汁につけて食べるのが基本スタイル。麺の温度を温め直したい場合は「あつもり」を注文できます。

  4. Q4. つけ麺の「あつもり」「ひやもり」とは?

    • ① つけ汁の温度の選択
    • ② 麺を温め直すか、冷たく締めたまま提供するかの選択
    • ③ 麺の量の選択
    • ④ 卵を加熱するかの選択
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    正解:② 麺を温め直すか、冷たく締めたまま提供するかの選択

    つけ麺は通常冷水で締めた「ひやもり(冷盛)」で提供されますが、麺をお湯で温め直したものを「あつもり(熱盛)」と呼びます。寒い時期に好まれるオプションです。

  5. Q5. つけ麺で麺を食べ終えた後に頼める「スープ割り(割りスープ)」とは何か?

    • ① つけ汁に薄い出汁や湯を加えて飲みやすくすること
    • ② つけ汁を新しいものに丸ごと交換すること
    • ③ スープを凍らせて持ち帰れるようにすること
    • ④ スープの量を最初から増量すること
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    正解:① つけ汁に薄い出汁や湯を加えて飲みやすくすること

    濃いつけ汁は塩分や旨味が強く飲みにくいため、昆布や煮干しなどで取った薄い出汁や湯を注いでもらい、飲みやすく仕上げるのが「スープ割り」。

  6. Q6. ラーメンスープの「動物系」と「魚介系」を合わせた人気の系統を一般に何という?

    • ① 塩豚骨
    • ② Wスープ(ダブルスープ)
    • ③ 鶏白湯
    • ④ 魚介塩
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    正解:② Wスープ(ダブルスープ)

    豚骨・鶏ガラなどの動物系と、煮干し・鰹節などの魚介系を別々に取って合わせる手法を「Wスープ(ダブルスープ)」と呼び、つけ麺ブーム以降に広く普及しました。

  7. Q7. つけ麺の人気店「六厘舎」が2005年に創業した場所はどこか?

    • ① 東京都豊島区池袋
    • ② 東京都品川区大崎
    • ③ 東京都新宿区
    • ④ 神奈川県横浜市
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    正解:② 東京都品川区大崎

    六厘舎は2005年4月、東京都品川区大崎に本店を開業した。当初は客入りが振るわなかったが、超濃厚スープと極太麺へ舵を切ったことで人気に火がついた。

  8. Q8. つけ麺の名店「頑者」(埼玉・川越)の前身にあたる、1993年に開業した店の名前は?

    • ① ガンジャ
    • ② 武道家
    • ③ 一心亭
    • ④ 三馬路
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    正解:① ガンジャ

    頑者を営む大橋家は1993年に川越で「ガンジャ」を開業し、2000年に業態を「頑者」としてつけ麺専門で再スタートした。

  9. Q9. TRYラーメン大賞では、大賞を4年連続受賞した店を対象に2017年に「殿堂入り」制度が新設された。この制度で最初に殿堂入りを果たしたつけ麺の名店は?

    • ① 中華蕎麦とみ田(千葉・松戸)
    • ② めん徳二代目つじ田
    • ③ 中華そば 葛西
    • ④ 六厘舎
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    正解:① 中華蕎麦とみ田(千葉・松戸)

    TRYでは2017年に、大賞を4連覇した店を「殿堂入り」として翌年以降の審査対象から外す制度が新設され、千葉・松戸の「中華蕎麦とみ田」が最初にこの殿堂入りを果たしました。

  10. Q10. ラーメンの「油そば」「まぜそば」の特徴は?

    • ① スープがたっぷり入っている
    • ② ご飯と麺が一緒に入っている
    • ③ 冷たいスープが入っている
    • ④ スープが無く、タレと油を麺に絡める
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    正解:④ スープが無く、タレと油を麺に絡める

    油そばやまぜそばはスープを使わず、丼の底にタレと香味油(ラード・鶏油など)を入れ、茹でた麺と具材を直接絡めて食べるラーメンの一種です。

  11. Q11. 「油そば」は店によって様々な呼び方をされるが、その別称として一般的でないものはどれか?

    • ① あぶらーめん
    • ② まぜそば
    • ③ 冷やし中華
    • ④ 汁なしラーメン
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    正解:③ 冷やし中華

    油そばは店によって「あぶらーめん」「まぜそば」「汁なしラーメン」などと呼ばれることがあるが、「冷やし中華」は全く別の麺料理である。

  12. Q12. 「油そば」の発祥店として有力視される店は?

    • ① 東京・武蔵野・国分寺周辺の三幸(または珍々亭など)
    • ② 博多の一風堂
    • ③ 札幌の純連
    • ④ 和歌山の井出商店
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    正解:① 東京・武蔵野・国分寺周辺の三幸(または珍々亭など)

    油そばの発祥には諸説ありますが、1950〜60年代に東京武蔵野エリア(東京経済大学周辺)の珍々亭、亜細亜大学周辺の三幸などが発祥店として知られ、学生街で広まったとされます。

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